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Ice Lake のベース周波数の下がりっぷりに愕然とした sumikko.tokyo、もう Whiskey Lake の現行版が本命かと 思っていたら、よさそうな Comet Lake が発表されました。
14 nm だけどよさそうな Comet Lake
Comet Lake も Intel 10世代 Core の SKU です。
- (Ice Lake 同様)型番が新しくなって Core 10xx 系になりました。
- Ice Lake よりいい意味で保守的な SKU に思えます。
具体的に最下位クラスで比較してみると、 こんな感じ 。
- Ice Lake より Base も Turbo も動作周波数は高い。最大コア数も多い。
- Ice Lake (Sunny Cove)は Intel 発表で 18 % の IPC 向上です。
- Base でも Turbo でも IPC 向上分は動作周波数で相殺されてる感。
- どちらも SoC としては同じ感じ。
- Wi-fi 6 や Thunderbolt が搭載されています。
- Ice Lake には 新規含めた AVX 拡張命令あり、GPU 性能も向上。
- とはいえ使わない人には魅力が乏しく、ソフト側も要対応でしょう。
- DRAM は Ice Lake が上ですが、Intel CPU で DRAM 周波数はあまり重要でない感。
Ice Lake の動作周波数と TDP
Ice Lake の TDP と Comet Lake の TDP を比較すると興味深いことがあります。
Ice Lake (10 nm) | Comet Lake (14 nm) |
---|---|
9, 15, 28 W | 7 , 15 W |
なぜか不明ですが TDP は Ice Lake が高い。
- 動作周波数は低いのに高い。
- 増やしまくった L1 L2 キャッシュや TLB での消費なのか、 単に倍増している iGPU の EU のためなのか。
後者だとしても最低 TDP でも Comet Lake に負けるのは謎です。
しかも Ice Lake はベース周波数が更に低めです。
- Core i5-1030G4 はベース周波数なんと 700 MHz です。
- 大半の SpeedStep でのアンダークロック時の 800 MHz ラインを割っています。
- 要は Turbo 周波数依存な CPU 性能と邪推します。
- 一瞬しか出ないか、冷えない設計だとそもそも出ない性能の懸念です。
TDP がベース周波数をもとに計算されるとして、 TDP を下げる目的にベース周波数を下げたと仮定したら、 Ice Lake (10 nm)の発熱密度の高さが懸念されます。
要する Ice Lake は冷えないと全然速くない予感がします。 Comet Lake も冷えないと駄目なのは同様ではありますが。
薄い旧排熱ポートのないスリムモバイル PC で Ice Lake はヤバそうです。
Note
別 SKU の CPU ですが、 某大手のおしゃれ「プロ」ノート最上位モデルが、 カタログ値の 5 GHz を一瞬しか出せず 大半を 3 GHz 台で推移してしまう記事も出てます。
まとめ
- Ice Lake は用途とシャーシ(冷却性能)にかなり依存しそう。
- 4K マルチモニター/プレゼンとか、カジュアルゲームとかでないなら 買うにしても G1 系列で十分な気もします。
- いくら iGPU 性能が高くてもヘビーユーザーなら dGPU でしょう。
- あえて単独 Ice Lake な魅力があるとすれば 最大解像度とリフレッシュレート (120 Hz)でしょうか。
- Comet Lake が Intel 10 世代 Core CPU として無難そう。
- モバイル CPU としては Core i3 か i5 系の U 型でよさそう。
- 6 コア必要な CPU インテンシブな用途の方にもよさそう。
- いずれにせよ、各所でのベンチマーク待ちです。
- ただし Ice Lake に関してはベース周波数は要確認 かと思います。
- Core i5-10210U (4コア)か i3-10110U (2コア)かな。冷却設計次第な感じで。
もう Ice Lake が AMD Ryzen APU and/or プロセスルールへの営業戦略的な SKU に思えてきました。
Intel としても成熟した 14 nm 製造ラインを一気に止めるわけもないでしょうし、 今後出るであろうデスクトップ向け SKU も 14 nm が良さそうです。
クリスマス商戦も足音がそろそろしだす頃、 新しい Windows 10 なモバイルノートの調達は 現行の型落ちセールものか、Comet Lake な気分です。