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まずは「市販PC」について書きます。
・基本的にノートパソコン選びの注意点です。
・後半で市販PCでのCPUの注意点に触れてます。
Rev 2
全体的に微調整してますが、内容は大差ないです。
市販PC
全体的なこととして、
- 長所
- 少なくとも「ちゃんと動くもの」が大半です。
- なんといっても市販品、メーカー保証があります。
- 国産品は割高に見えますが、使って、壊れたら分解してきた経緯から、 丁寧な作り込みと出荷前検査をきちんとやっている印象です。
- 短所
- 余計なソフトウェアがてんこ盛り。どれをどの順で消すかが大問題に。
- リカバリーメディアを自分で作っておかないと、 何かあった時に何もできないです。
- 付属するWindowsなどのライセンスは原則その市販品に限定されます。
- 国外メーカーだと保証や修理の対応手段に注意しましょう。
- メーカー保証の無償期間は短く、修理代は高いです。
- 修理でストレージ内容は初期化されることがあります。データの保証はないです。
- 更にストレージ内のデータは修理過程で見られる可能性もあります。
他にもいろいろありますが、これでもできるだけ絞ってます。
Note
工場出荷状態に戻せるのか、 きちんと説明と方法があるでしょうか。
長期的に使うとなると重要になります。
通販で市販ノートパソコンを買う場合
ノートパソコンを通販でいきなり買うと、 意外な大きさや重さにびっくりすること請け合いです。
Attention!
市販ノートパソコンは必ず現物を見て買いましょう。
市販ノートパソコンのなにを見るか
全体としての大きさ、重さ、キーボード配列と感触、 前後左右の各種端子はもちろんです。
できれば ひっくり返して冷却エアの出入り口、ストレージ、DRAM、 そしてバッテリーの交換が可能かどうか 、 長期的に使うならば確認した方が良いです。
特にバッテリーとストレージは消耗品です。
3年経ったら交換するくらいで考えましょう。
通販で買わない方がいいということではないです。
現物か同一サイズをみてから 通販なりそのお店なりで買えばいいと思います。
冷却にご注意
ノートパソコンでは冷却が非常に重要 になります。
高いモデルを買うときは特にです。
冷却方法 | 特徴 | 性能 |
---|---|---|
パッシブ | 全体がぬるくなって冷却するタイプ。ファンなし。 | 冷えない |
アクティブ | 吸・排熱口があって小型ファンで冷却するタイプ。 | 普通 |
パッシブ型や小型軽量モデルに性能を求めるのは、物理学的に無理難題です。
- パソコンは電気回路です。動かすと熱がでます。
- パワーが必要でノートパソコンである必要もあるなら、大きさは妥協しましょう。
Attention!
高性能なCPUやGPUを搭載したモデルでパッシブ型や小型は避けるが吉です。
フル稼働させると熱がこもって、数分で本来の性能がでなくなります。
Tip
デスクトップパソコンも基本は同じですが、 サイズが余裕あるものが大半なので、あまり熱は気にしないでいいです。
ただし設置するときは、換気口周囲は10cm以上はスペースを作るべきです。
バッテリー・電源は消耗品扱い
バッテリーと電源 (AC アダプター) は消耗品です。
酷使するなら 1 年、そうでなくても 3 年もてばいいと思いましょう。
Attention!
バッテリーは着脱交換可能かどうか、かならず確認しましょう。
予備バッテリーが流通していて、自分で簡単に交換できるものが理想です。
メーカーはバッテリーを含めない重量をカタログなどに書くこともあります。 数字だけですごく軽いと感じても、実際にバッテリーつきの重さだとそれなりです。
ACアダプター
ハイパワーなノートパソコンを選ぶと大きな AC アダプターになり、 それで長時間運用すると結構な熱を帯びます。
AC アダプターはたいてい密閉されていて内部冷却が困難です。 つまり中長期的には壊れやすい部品です。
ハイパワーノートの場合は AC アダプターの交換品が入手できるのか、 いくらくらいなのかは調べるが吉です。
モバイル用途であまり負荷をかけない運用なら、あまり気にしないでもいいです。
メインメモリ(DRAM) の量の目安
2019 年に出回っているパソコンはたいてい 4 GBは搭載してます。
- Windows 10 が起動して、Windows Update が動くには 4 GBは十分な量です。
- Officeやその他のソフトの存在、デュアルチャンネルの活用、 ファイルアクセスバッファなど色々検討すると、 最低ラインは 8 GBです 。
- 16 GBは普通のオフィス作業では使い切ることはほぼありません。
- 予算がOKなら 16 GBにしておくのが将来的には良いかもしれません。
- 3D データや大きな絵・動画の編集、多数の仮想マシンを扱うなら 32 GBです。
Attention!
メモリがあとから増設できない機種なら、多めにしましょう。
HDD や SSD/NVMe の注意点
ノートパソコンなら、動かしますよね。
- HDD は割れ物 です。
- 動作中に動かすとヤバイです。カタン、と置くとダメージです。
ノートはもうSSD
SSD と明記されていて最低 240 GB、できれば 500 GB以上を選びましょう。
SATA と NVMe の選択
SATA でいいです。NVMe にこだわる必要性はありません。
- 理論最大シーケンシャルアクセスが速くても、その数字はほぼ持続しません。
- ランダムアクセスが速い方が体感的には重要で、 SATA SSDでも十分速いです 。
- NVMe は発熱が大きいのでむしろノートには避けるがよいです。
Warning
eMMC というのは SSD ではありません。
大雑把にいうとただのフラッシュメモリです。
また 64 GB未満のストレージで Windows 10 は非実用的です。
HDD をあえて選ぶケース
HDD を搭載するノートは、
- よほど大量のデータを扱う (ファイルが 100 MB単位とか 多数の 10 MBファイル郡)。
- あまり持ち歩かない。
- 絶対に起動状態で動かさない 。スリープにしてから動かす。
以上を前提にするくらいのほうがよいかと思います。
Hint
標準の SSD で容量が足りない分は、 外付け HDD/SSD なり、或いは NAS なりで解決するのもありです。
それでは運用が無理という用途なら仕方ないです。
CPUブランド名の注意
Attention!
Intel のノート CPU のブランド名は性能がわかりにくいです。
ここはある程度具体的に書いておきます。
- Pentium は Pentium Gold と Pentium Silver で全く別物です。
- Gold (G) はデスクトップ用です。パワフルです。2 コアでもパワフルです。
- Silver (J) は低消費低発熱のために別に設計されたもので、パワーはありません。
- Silver (J) は 4 コアあっても非力です。
- Celeron は更にごっちゃ混ぜでわかりにくいです。
- G はデスクトップ用でパワフルです。
- ノートに多い Celeron J や N はもっさりします。
- 4 万円くらいの Celeron ノートで Windows 10 は苦行の日々の選択になります。
- Core ブランドでも注意が必要です。
- 小文字の m 混じりのものや、Y がついているものは、あまりパワーありません。
- ノート用 Core ブランド (U) は基本クロックが低く、Boost でパワーが出ます。
- つまり、冷えない設計だとカタログの性能は発揮されません。
AMD の Ryzen は「名前と性能のわかりにくさ」に関してはあまり問題はないです。
ただ冷却には同様に注意が必要です。
CPUのコア数、動作周波数の注意点
マーケティングとして「コアの数」と「最大動作クロック」が大きく記載されてます。
ただそれらが大きい数値だからといって、高性能とは限りません。
- コア数が多いほどベースクロックが下がり、Boost クロックが上がる傾向です。
- 無駄にコア数多いと冷却が問題となります。連続使用で遅くなりがち。
CPU 内部設計と動作周波数の注意点
マイクロアーキテクチャの違いで、動作周波数 (GHz) と速度は一致しません。
- Intel Pentium G5400 (2 コア ベース 3.7 GHz):高速です。
- Coffee Lake:デスクトップ向けのマイクロアーキテクチャです。
- Intel Pentium G5405U (2 コア ベース 2.3 GHz):ぼちぼちです。
- Whiskey Lake:モバイル用のマイクロアーキテクチャです。
- 2019 年の選択肢としては Whiskey Lake の Core i3/i5 が無難でしょう。
- Intel Pentium J5000 (4 コア Burst 2.7 GHz):遅いです。
- Gemini Lake:特殊用途向け SoC のマイクロアーキテクチャです。
- 冷却に制限がある用途に用いるものを、ノートに乗せている感です。
いろいろな構成を無理やり例えてみる
表記・例 | 無茶な例え |
---|---|
Pentium / Celeron J や N の「4コア」 | 「小中学生4人」 |
Pentium / Celeron G の「2コア」 | 「元気な社会人2人」 |
ノート向け Core で m や Y がつくもの | 「不慣れなアルバイト数名」 |
ノート向け Core U で冷却貧弱な「4コア」 | 「元気のない社会人4人」 |
ノート向け Core U の「2コア」 | 「一般的な社会人2名」 |
冷却設計ばっちりな Core i5/i7 B/H | 「訓練された消防隊1小隊」 |
冷却だめな Core i5/i7ノート | 「頑張って空回りするドジっ子」 |
ベンチマークスコア
マルチコア CPU が特に CPU ベンチマークスコアで高い数値を出すのは確かです。
ただそれが皆さんの役に立つかどうかは、ソフトの対応と用途次第です。
ベンチマークスコアを参考にするなら、シングルスレッドでも比較しましょう。
- メールと Web だけならば J でも N でもいいですが、Windows Update は遅いです。
- Office 作業、特に日本語変換で遅さを感じたくないなら「一般的社会人2名」かな。
- 建築設計や動画などを作る方には「訓練された消防隊1小隊」がよいかと思います。
- Windows Update 中やウイルススキャン中も普通に使いたいなら、そのレベルです。
- メーカーは「モバイルワークステーション」として販売している感じです。
- 「ドジっ子」はお金と時間と心に余裕のある方向けです。マニアックな選択です。
Intel CPU を調べるには
https://ark.intel.com/ で確認できます。
"Search Specification" の検索ボックスを使って型番を見てみてください。
リスト表示では Compare で複数を選択して比較もできます。
まとめ
- 市販 PC でも注意すべき点はあります。保証があるからと油断しない方がいいです。
- 特に市販ノートパソコンは修理対応、バッテリー、冷却方式に注意してください。
- ノートパソコン用の CPU は若干低性能で、冷えないと本来の性能がでません。
- 冷えない = 使ってると遅くなる + 壊れやすい
ご一読ありがとうございました。