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市販PCを選ぶときの注意点

お知らせ: たぶん古い記事です。

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🐦「この記事は大雑把に 960 日以上は経過しているようです。内容の賞味期限にご注意ください。」

まずは「市販PC」について書きます。

・基本的にノートパソコン選びの注意点です。

・後半で市販PCでのCPUの注意点に触れてます。

Rev 2

全体的に微調整してますが、内容は大差ないです。

市販PC

全体的なこととして、

  • 長所
    • 少なくとも「ちゃんと動くもの」が大半です。
    • なんといっても市販品、メーカー保証があります。
    • 国産品は割高に見えますが、使って、壊れたら分解してきた経緯から、 丁寧な作り込みと出荷前検査をきちんとやっている印象です。
  • 短所
    • 余計なソフトウェアがてんこ盛り。どれをどの順で消すかが大問題に。
    • リカバリーメディアを自分で作っておかないと、 何かあった時に何もできないです。
    • 付属するWindowsなどのライセンスは原則その市販品に限定されます。
    • 国外メーカーだと保証や修理の対応手段に注意しましょう。
    • メーカー保証の無償期間は短く、修理代は高いです。
    • 修理でストレージ内容は初期化されることがあります。データの保証はないです。
    • 更にストレージ内のデータは修理過程で見られる可能性もあります。

他にもいろいろありますが、これでもできるだけ絞ってます。

Note

工場出荷状態に戻せるのか、 きちんと説明と方法があるでしょうか。

長期的に使うとなると重要になります。

通販で市販ノートパソコンを買う場合

ノートパソコンを通販でいきなり買うと、 意外な大きさや重さにびっくりすること請け合いです。

Attention!

市販ノートパソコンは必ず現物を見て買いましょう。

市販ノートパソコンのなにを見るか

全体としての大きさ、重さ、キーボード配列と感触、 前後左右の各種端子はもちろんです。

できれば ひっくり返して冷却エアの出入り口、ストレージ、DRAM、 そしてバッテリーの交換が可能かどうか 、 長期的に使うならば確認した方が良いです。

特にバッテリーとストレージは消耗品です。

3年経ったら交換するくらいで考えましょう。

通販で買わない方がいいということではないです。

現物か同一サイズをみてから 通販なりそのお店なりで買えばいいと思います。

冷却にご注意

ノートパソコンでは冷却が非常に重要 になります。

高いモデルを買うときは特にです。

冷却方法 特徴 性能
パッシブ 全体がぬるくなって冷却するタイプ。ファンなし。 冷えない
アクティブ 吸・排熱口があって小型ファンで冷却するタイプ。 普通

パッシブ型や小型軽量モデルに性能を求めるのは、物理学的に無理難題です。

  • パソコンは電気回路です。動かすと熱がでます。
  • パワーが必要でノートパソコンである必要もあるなら、大きさは妥協しましょう。

Attention!

高性能なCPUやGPUを搭載したモデルでパッシブ型や小型は避けるが吉です。

フル稼働させると熱がこもって、数分で本来の性能がでなくなります。

Tip

デスクトップパソコンも基本は同じですが、 サイズが余裕あるものが大半なので、あまり熱は気にしないでいいです。

ただし設置するときは、換気口周囲は10cm以上はスペースを作るべきです。

バッテリー・電源は消耗品扱い

バッテリーと電源 (AC アダプター) は消耗品です。

酷使するなら 1 年、そうでなくても 3 年もてばいいと思いましょう。

Attention!

バッテリーは着脱交換可能かどうか、かならず確認しましょう。

予備バッテリーが流通していて、自分で簡単に交換できるものが理想です。

メーカーはバッテリーを含めない重量をカタログなどに書くこともあります。 数字だけですごく軽いと感じても、実際にバッテリーつきの重さだとそれなりです。

ACアダプター

ハイパワーなノートパソコンを選ぶと大きな AC アダプターになり、 それで長時間運用すると結構な熱を帯びます。

AC アダプターはたいてい密閉されていて内部冷却が困難です。 つまり中長期的には壊れやすい部品です。

ハイパワーノートの場合は AC アダプターの交換品が入手できるのか、 いくらくらいなのかは調べるが吉です。

モバイル用途であまり負荷をかけない運用なら、あまり気にしないでもいいです。

メインメモリ(DRAM) の量の目安

2019 年に出回っているパソコンはたいてい 4 GBは搭載してます。

  • Windows 10 が起動して、Windows Update が動くには 4 GBは十分な量です。
  • Officeやその他のソフトの存在、デュアルチャンネルの活用、 ファイルアクセスバッファなど色々検討すると、 最低ラインは 8 GBです
  • 16 GBは普通のオフィス作業では使い切ることはほぼありません。
    • 予算がOKなら 16 GBにしておくのが将来的には良いかもしれません。
  • 3D データや大きな絵・動画の編集、多数の仮想マシンを扱うなら 32 GBです。

Attention!

メモリがあとから増設できない機種なら、多めにしましょう。

HDD や SSD/NVMe の注意点

ノートパソコンなら、動かしますよね。

  • HDD は割れ物 です。
  • 動作中に動かすとヤバイです。カタン、と置くとダメージです。

ノートはもうSSD

SSD と明記されていて最低 240 GB、できれば 500 GB以上を選びましょう。

SATA と NVMe の選択

SATA でいいです。NVMe にこだわる必要性はありません。

  • 理論最大シーケンシャルアクセスが速くても、その数字はほぼ持続しません。
  • ランダムアクセスが速い方が体感的には重要で、 SATA SSDでも十分速いです
  • NVMe は発熱が大きいのでむしろノートには避けるがよいです。

Warning

eMMC というのは SSD ではありません。

大雑把にいうとただのフラッシュメモリです。

また 64 GB未満のストレージで Windows 10 は非実用的です。

HDD をあえて選ぶケース

HDD を搭載するノートは、

  • よほど大量のデータを扱う (ファイルが 100 MB単位とか 多数の 10 MBファイル郡)。
  • あまり持ち歩かない。
  • 絶対に起動状態で動かさない 。スリープにしてから動かす。

以上を前提にするくらいのほうがよいかと思います。

Hint

標準の SSD で容量が足りない分は、 外付け HDD/SSD なり、或いは NAS なりで解決するのもありです。

それでは運用が無理という用途なら仕方ないです。

CPUブランド名の注意

Attention!

Intel のノート CPU のブランド名は性能がわかりにくいです。

ここはある程度具体的に書いておきます。

  • Pentium は Pentium Gold と Pentium Silver で全く別物です。
    • Gold (G) はデスクトップ用です。パワフルです。2 コアでもパワフルです。
    • Silver (J) は低消費低発熱のために別に設計されたもので、パワーはありません。
    • Silver (J) は 4 コアあっても非力です。
  • Celeron は更にごっちゃ混ぜでわかりにくいです。
    • G はデスクトップ用でパワフルです。
    • ノートに多い Celeron J や N はもっさりします。
    • 4 万円くらいの Celeron ノートで Windows 10 は苦行の日々の選択になります。
  • Core ブランドでも注意が必要です。
    • 小文字の m 混じりのものや、Y がついているものは、あまりパワーありません。
    • ノート用 Core ブランド (U) は基本クロックが低く、Boost でパワーが出ます。
    • つまり、冷えない設計だとカタログの性能は発揮されません。

AMD の Ryzen は「名前と性能のわかりにくさ」に関してはあまり問題はないです。

ただ冷却には同様に注意が必要です。

CPUのコア数、動作周波数の注意点

マーケティングとして「コアの数」と「最大動作クロック」が大きく記載されてます。

ただそれらが大きい数値だからといって、高性能とは限りません。

  • コア数が多いほどベースクロックが下がり、Boost クロックが上がる傾向です。
  • 無駄にコア数多いと冷却が問題となります。連続使用で遅くなりがち。

CPU 内部設計と動作周波数の注意点

マイクロアーキテクチャの違いで、動作周波数 (GHz) と速度は一致しません。

  1. Intel Pentium G5400 (2 コア ベース 3.7 GHz):高速です。
    • Coffee Lake:デスクトップ向けのマイクロアーキテクチャです。
  2. Intel Pentium G5405U (2 コア ベース 2.3 GHz):ぼちぼちです。
    • Whiskey Lake:モバイル用のマイクロアーキテクチャです。
    • 2019 年の選択肢としては Whiskey Lake の Core i3/i5 が無難でしょう。
  3. Intel Pentium J5000 (4 コア Burst 2.7 GHz):遅いです。
    • Gemini Lake:特殊用途向け SoC のマイクロアーキテクチャです。
    • 冷却に制限がある用途に用いるものを、ノートに乗せている感です。

いろいろな構成を無理やり例えてみる

表記・例 無茶な例え
Pentium / Celeron J や N の「4コア」 「小中学生4人」
Pentium / Celeron G の「2コア」 「元気な社会人2人」
ノート向け Core で m や Y がつくもの 「不慣れなアルバイト数名」
ノート向け Core U で冷却貧弱な「4コア」 「元気のない社会人4人」
ノート向け Core U の「2コア」 「一般的な社会人2名」
冷却設計ばっちりな Core i5/i7 B/H 「訓練された消防隊1小隊」
冷却だめな Core i5/i7ノート 「頑張って空回りするドジっ子」

ベンチマークスコア

マルチコア CPU が特に CPU ベンチマークスコアで高い数値を出すのは確かです。

ただそれが皆さんの役に立つかどうかは、ソフトの対応と用途次第です。

ベンチマークスコアを参考にするなら、シングルスレッドでも比較しましょう。

  • メールと Web だけならば J でも N でもいいですが、Windows Update は遅いです。
  • Office 作業、特に日本語変換で遅さを感じたくないなら「一般的社会人2名」かな。
  • 建築設計や動画などを作る方には「訓練された消防隊1小隊」がよいかと思います。
    • Windows Update 中やウイルススキャン中も普通に使いたいなら、そのレベルです。
    • メーカーは「モバイルワークステーション」として販売している感じです。
  • 「ドジっ子」はお金と時間と心に余裕のある方向けです。マニアックな選択です。

Intel CPU を調べるには

https://ark.intel.com/ で確認できます。

"Search Specification" の検索ボックスを使って型番を見てみてください。

リスト表示では Compare で複数を選択して比較もできます。

まとめ

  • 市販 PC でも注意すべき点はあります。保証があるからと油断しない方がいいです。
  • 特に市販ノートパソコンは修理対応、バッテリー、冷却方式に注意してください。
  • ノートパソコン用の CPU は若干低性能で、冷えないと本来の性能がでません。
  • 冷えない = 使ってると遅くなる + 壊れやすい

ご一読ありがとうございました。

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