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アンダークロックの記事が長すぎたので、 「やってはいけないこと」と「すごく注意すべきこと」をわけちゃいました。
右上の矢印や最下部の「もどる」なりで繋がってます。
2019 年 8 月 21 日 更新
コアごとの設定に関してすこし修正しました。
内容的には大差ないです(若干の勘違い)。
Microsoft Windows とアンダークロックの注意点
これは「憶測」です。念の為です。
- もしご利用中の OS が Windows の DSP 版やプリインストール版の場合で。
- アンダークロックした CPU 周波数の変動に Windows 認証が関わると仮定すると。
「アンダークロック」=「異なるマシン」=「正常に Windows が機能しなくなる」 かも知れません。
- オーバークロックには Microsoft 的にも適切に対応しているでしょう。多分。
- sumikko.tokyo では「リテール版 Windows 10」しか使っていないので、わかんないです。
- 杞憂かもしれませんが、念の為に。
Note
DSP 版やハードウェア付属 Windows のライセンスは、その構成に縛りがあります。
どの程度厳しいのかはわからないです。
低発熱低電力化に関するいろんな方法の注意点
アンダークロックの他にも消費電力や発熱を抑えるための手段は多くあります。
ただそれらはより注意が必要になってきます。
電圧いじり、特にオフセット値の注意点
筆頭に上がるのが CPU コア電圧のネガティブオフセット設定かと思います。
Warning
sumikko.tokyo は電圧オフセットをいじりませんし、推奨しません。
この方法はシステム不安定性をむしろ招きかねないので注意です。
要するに CPU への「電圧を強制的に下げる手段」です。
- 効果は確かですし、多くの場合 -50 mV 程度下げても動作はするでしょう。
- アンダークロックの前に Vcore オフセットを下げるべきという意見もあります。
ただし、警戒と事前の対策方法の把握は必須です。
- フル負荷での安定性が下がり、フリーズなどが生じる可能性がでます。
- 運が悪いと最低限のオフセット値でも BIOS レベルまで起動しなくなります。
Note
もちろんオフセット値を下げすぎたら、電圧不足で CPU は動きません。
1 番目ではそれが大量の電力を必要とする状況起こってます。
2 番目では起動時の定格クロックで動く POST 時に生じているようなものです。
Warning
-150 mV とか下げるとまず BIOS に到達できなくなります。
問題は後者です。動かないんだから、再設定は普通にはできません。
ただ対処方法はあります。
大抵はマザーボード上の CMOS クリアジャンパーを 5 秒くらいショートさせ、CMOS クリアすれば治るという程度です。
オーバークロックしすぎて焼け焦げ故障というようなものではないです。
Attention!
もちろん CMOS クリアしたら BIOS 設定値は完全に消えます。
そういう操作に必要な、特にショート用のジャンパーが手元になければ、 決して行うべき方法ではありません。
Warning
電圧を手動で下げる方法は、 事前対策を把握して必要機材を揃えてから検討しましょう。
- ジャンパーの操作は部品が小さいので注意してください。
- 静電気対策も必須です。パチパチいってるような服装でやるとご昇天です。
Note
ちなみにマザーボードによって CMOS クリアのピンが 2 つだけでジャンパーなしとか、 3 ピンあってジャンパー位置を NORMAL から CLEAR にずらすとか、色々です。
Boost 機能の OFF の注意点
Intel だとTurboBoost、AMD だとPerformance / Precision Boost とかいった名称です。
CPU 搭載温度センサーが許容範囲内であれば、 一時的にコアのクロックをメーカー規定の範囲内で自動オーバークロックする機能です。
Note
逆にアイドル時には Intel SpeedStep というような、 自動でアンダークロックする機能があり、 800 MHz とかで動作しているようになります。
ここで注意すべきは、 商品のベースクロック がどの程度かということです。
- Intel Core i5-8400 では ベースクロックは 2.8 GHz で、 TurboBoost で 4 GHz、それも実際は 1 コアだけの時で、複数コアでは若干さがります。
- TurboBoost がないPentium Gold G5400 は、ベースクロック 3.7 GHz です。
前者で TurboBoost を OFF にすると、2.8 GHz に固まってしまうわけです。
低発熱低消費電力にはお手軽になりますが、性能も結構下がります。
Core i5 が Pentium より遅くなりかねないわけです。
デスクトップ CPU の目安
最近 (2019年) の Intel や AMD の「デスクトップCPU」では、 3 GHz あれば Windows 10 は結構さくさく動きます。
一方で 2.5 GHz になると BIOS 画面からして動きがとろくなります。
AMD Ryzen では基本的にベースクロックが 3.2 GHz くらいあるので、 Boost 切ってもあまり影響しない印象です。
むしろ AMD Ryzen に関して言えば Boost のオフがアンダークロックよりお手軽でしょう。
Note
別の言い方をすると、最近の一部の CPU は 「冷えないと遅い」可能性があるということです。
Core i5-8400 の 4 GHzというスペックは、あくまで TurboBoost によるものです。
基本は 2.8 GHz とむしろ Pentium Gold より低い。
- 「熱がこもるケースに入れて長時間運用」すれば、 CPU は危険を察知して4 GHzなんて出さなくなります。
- Core i5-8400 をディスってるわけではないです。ただの例です。
コア数の制限の難点
これは比較的安全ですが、減らしたコアの分、高負荷時のレスポンスへの 悪影響は想定すべきです。
ただそういったのは、Windows Update とかウイルススキャンとか、 (ブラウザで) 常時ゲームしてるとかの話です。
Note
Intel Core CPU なら 3 GHz で動作するコアが 2 つあれば、 普通に Windows 10 さんはサクサク動きます。
その環境でサクサクでないなら、CPU の他にボトルネックある可能性があります。
システムドライブが HDD の場合とか。
Attention!
コア数減らすくらいなら 3.5 〜 4 GHz の 2 コア CPU 使うほうがよいです。
コアごとのコアレシオ調整による実質的アンダークロック
ややこしいタイトルでごめんなさい。
Intel Core CPU ならコアレシオはコア単位で設定できることがあります。
その場合、1 つか 2 つはそのままで、残りを低めにアンダークロックする方が コア数を削減するよりよっぽどいいと思います。
TurboBoost 対応 CPU ならその上限のちょっと下くらいに 1 コアをコアレシオいじって固定して、 残りのコアを規定コアに固定するというわけです。
Attention!
ただしこの「メーカーの Boost 範囲内への設定」であっても、 サポート担当さんは「オーバークロックしたのであなたの責任です」と 仰るかも知れません。
おすすめはしません。
なぜこの設定方法が注意事項のページにあるか
TurboBoost などの Intel や AMD の CPU 機能による自動オーバークロックは CPU 内部の温度センサーなどを駆使しています。
要するに「自動的かつ安全な範囲での一時的なオーバークロック」になってます。
Attention!
やや勘違いがあったので修正加筆しますが、M/B によっては「固定」になるかもしれないので そのあたりは未検証ということにして以前の記載も残しておきます。
検証している ASUS の M/B では「コアレシオの固定」ではなく 「(複数)コア負荷時の TurboBoost の上限の設定」でした。
以前書いていたのは、
- コアレシオを固定すると、この 「安全な一時的な範囲」から逸脱しかねません 。
- 「結果としてアンダークロック相当の設定」であっても、 「実質的には手動オーバークロック」の範疇と考えるべきです。
- なので CPU クーラーに気を使い、かつ、高めのコアレシオ設定は最低限にしましょう。
- sumikko.tokyo 的には Turbo 上限未満のコアレシオ 1 コア、残りベース以下です。
- 例) ベース 32 ターボ上限 39 の 4 コアなら [37, 32, 32, 32] とかです。
ですが、上述しているように単に「TurboBoost の上限を制約しただけ」の感じ。 sumikko.tokyo としては運用方針は変更なしです。
- 上の例でいうと、1コアのみの負荷時の最大コアレシオが 37 に。
- 2コア以上の負荷時の最大コアレシオが 32 といった感。
ところで Boost 範囲内のオーバークロック値に届かない程度のコアレシオにしたところで、 殆どの時間は SpeedStep で 800 MHz くらいに自動アンダークロックされます。
SpeedStep などを OFF にしない限り、 アイドル時の発熱が高くなるかもとかいう懸念はなっしんぐかと思います。
参考:ARM big.LITTLE
- 速いけど消費電力も高めなコア。ゲームとかのため。
- 遅めだけど低消費電力なコア。バックグラウンドアプリとか待ち受けなどのため。
- ARMの最近のSKUだと、前者4コア後者4コアで「8コア」と記載されてる感じですね。
まとめ
- CPU 電圧のネガティブオフセット設定はおすすめしません。
- コア数減らすくらいなら、ベースクロック速い 2 コア CPU 買う方がいいです。
- Boost 対応かつコア毎のコアレシオ調整できるなら、便利な設定ができますが、要注意です。
ご一読ありがとうございました。
電圧いじりはご注意ください。