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Debian GNU/Linux の特に安定版は、 長期的なトータルバランスが優れています。
ただし初心者にはおすすめしません。
Rev 2020-01-08
書き足しなど。
Linux を試す場合の選択肢
空いている少し古い Intel CPU のパソコンがあるならば、 比較的直感的に扱える Ubuntu や Mint などを試してみるのがよいでしょう。
その上で長期的に Linux を利用することをご検討される場合には、 選択肢の一つとして Debian はよいと思います。
Caution!
Windows を使っているパソコンでいきなり Linux をインストールするのは、 絶対におすすめしません。
Debian の利点
Debian の欠点
- ソフトウェアも文書も悪い意味で膨大です。
- どれが必要なのかどれがよいのかなど、わかりにくいです。
- 素晴らしい文書ですが、冗長です。
- ソフトウェア資源も文書も翻訳膨大なためか、一部は古いです。
- 対応ハードウェアの幅広さや依存関係の問題もあるためでしょう。
- 「安定版」の収録ソフトウェアは「いい意味で古い」です。[1]
- 最新の機能やハードウェアが使えないことはあります。
- 自力で対応することも可能ですが、 それでは Debian の「安定版」を使う意義は薄れます。
- より新しいテスト版や不安定版も同時に存在します。[2]
[1] | 安定性のための意図的な古さは「枯れている」とも言います。 |
[2] | 検証とテストを重ねて、それらが将来の安定版になります。 |
数が膨大であったり名前から実態がわかりにくかったり、 一部が古いままであるのは、Debian だけの問題でもないです。
Linux は個人や組織まで様々な貢献者によって構築されています。 特に名前などのブランド戦略は、Microsoft などの大企業には敵いません。
Debian と他の Linux
Linux には色々な種類があります。
目的や方向性の違いでほんとに色々あります。
Linux 自体 は厳密にはカーネルと呼ばれる中枢的な部分です。
GNU/Linux
システムとして利用できるようにするには、 多数の他のソフトウェアが必要です。
中でもGNUプロジェクトの数々のソフトウェア群は必須です。
それゆえ、Debianも正式に書くなら "Debian GNU/Linux" となります。
ただ最近はそういう細かい呼び方にはこだわらないようですので、 一見名前だけ見ると Linux かどうかわからないものもあります。
多数の勇者達が CentOS で武勇伝を轟かせ、 戦士達は Gentoo で日々鍛錬して敵をなぎ払い、 魔法使い達は Arch で精妙な魔法を華麗に放ち、 召喚師達は デーモン を使役し世界を支えている。
-- "フリーソフトウェアレジェンド"、民明書房
最後の Linux 違うし。
Note
あえて(?)説明をさぼりましたが、もし Linux に興味を持たれたら、 UNIX や BSD 系についてもググってみることをおすすめします。
BSD 系も多くの人が無意識にルーターなどで利用してたりします。 一部は改変されカスタム OS になっていたりもします。
まとめ
- Linux やフリーソフトウェアを「知ること」には意義があります。
- フリー "free" が意味するところが「自由」か「無料」かは要注意です。
- 「無料」に飛びつかないでください。重要なのは「自由」の意味合いです。
- サポートや利用者の教育研修などトータルでコストを考えれば、 Microsoft Windows などの製品を使う優位性は当然あります。
- Linux を試す場合には 十分注意して下さい。
- 責任は利用者にあります。何があっても誰かのせいにしたり、 賠償を求めたりはできませんし、お門違いです。
- 可能であることと現実的であることには異なり、 目的によっては致命的な差が生じえます。
- どの Linux にするかは目的や趣向、ライセンス条項次第です。
- 真に自由な構成にする場合は Debian でも注意が必要です (non-free パッケージなどを含めたら制限がつきます)。
- 触れませんでしたが、GNU GPL 条項の持つ縛りなど、 一部は改変したものを再配布する場合にも注意が必要です。
- Linux でサポートや保守が必要なら有償サービスも検討すべきです。
ご一読頂き、ありがとうございました。